【8月5日 東方新報】中国の全国マフィア・組織犯罪一掃協調チーム弁公室によれば、第9回主任会議で「6つの徹底」アクションを全面展開する要請を出し、全国31省・自治区・直轄市と新疆生産建設兵団に対し、32の監督指導チームを派遣、7月20日から重点一掃指導が始まった。

 新型コロナウイルス感染症がまん延している新疆生産建設兵団は取り組みが延期されているが、各省・自治区・直轄市では、地元政府の党委員会と合同で、マフィア犯罪の一掃活動が展開されている。

「六清(六つの徹底)」アクションとは、①徹底して手がかりを追う。②徹底して犯人を追って誰も逃がさない。③徹底して事件を解決する。途中でうやむやにしない。④徹底して後ろ盾を排除する。⑤徹底して違法蓄財を没収する。⑥徹底してマフィアと癒着しやすい業界をクリーンにする、という行動指針。

 この中央主導のマフィア一掃キャンペーンは、2018年1月、国務院が出した「全国マフィア組織犯罪専門闘争に関する通知」に基づき、全国で展開してきた。2020年の今年は3年間にわたるキャンペーンの最後の一年であり、「最終決戦」と位置付けられている。特に今回は、中央と地方の協力体制の促進に重点を置いており、各省レベルのマフィア一掃弁公室の幹部が召集され編成された監督チームや専門家が、各地に派遣されて指揮をとった。

 これまでの取り締まりキャンペーンとの違いは、単にマフィア、犯罪組織の犯罪者を捕まえるだけでなく、マフィアと癒着している地元政府、党委員会の腐敗や業界を根こそぎクリーンにすることが目的だ。地方の司法機関だけでは取り締まり切れないために、中央から精鋭を派遣し、特別チームを編成して摘発することになった。

 このキャンペーンの成果の一つとして、湖南省(Hunan)桑植県(Sangzhi)人民法院が27日に、マフィア組織に参与していた40人の被告に対して、今回14の罪状と33件の犯罪に関して判決を出した事件などがある。

 慈利県(Cili)工商銀行を退職した曾衛華(Zeng Weihua)被告らが、2003年から同県で地下賭博場を開き、賭博客のための高利貸を開始し、2010年には不特定多数に幅広く高利で貸し付けを行う違法金融を経営し、手下を招集して一連の犯罪活動を行うマフィアに成長していたケースで、2014年4月には、暴力的な借金の取り立て、ゆすりなども行っていた。主犯には懲役22年、政治権利剝奪5年、全財産没収の判決がお下され、組織メンバーの39人に関しては6か月から15年の懲役刑の判決が下された。

 今年4月末までの統計では、全国で一掃されたマフィアは3120、関連の犯罪組織は9888、逮捕された容疑者は38万8442人に上り、これら事件の捜査中に、こうしたマフィア・犯罪組織と癒着していた権力者は6万7190人に上った。

 こうした取り締まりの結果、社会と政治、経済の環境が改善され、広大な人民群衆の支持を得た、と当局は5月の記者会見で発表している。(c)東方新報/AFPBB News