【8月4日 AFP】2日に行われたフォーミュラワン(F1、F1世界選手権)の今季第4戦英国GP(British Grand Prix 2020)で優勝したメルセデスAMG(Mercedes AMG)のルイス・ハミルトン(Lewis Hamilton)について、主なライバルたちが今年のドライバーズ選手権で追いつくことはできないとの認識を示している。

 通算6度の年間タイトル獲得を誇るハミルトンが、先週末の英国GPで今季3戦連続の優勝を果たした後、レッドブル(Red Bull)のマックス・フェルスタッペン(Max Verstappen)とフェラーリ(Ferrari)のシャルル・ルクレール(Charles Leclerc)は、実質的にタイトル獲得を諦めるような発言をした。

 当日のレースでは、ハミルトンが最後はタイヤ3本だけで見事に完走。ドライバーズ選手権の行方はこれまでと変わらず、同選手を追い抜くチャンスがあるのはチームメートのバルテリ・ボッタス(Valtteri Bottas)だけとみられている。

 劇的勝利で英国GP史上最多となる7回目の優勝を飾ったことで、総合首位のハミルトンは同2位のボッタスとの差を30ポイントに拡大。ボッタスは左のフロントタイヤがパンクして11位に終わった。

 今季15戦中わずか4戦を終えた現在、ライバル勢はハミルトンに追いつくことができるか聞かれると、英国GPで2位に入ったフェルスタッペンは単純に「ノー」と回答。同レースで3位となり、ハミルトンと55ポイント差の総合5位に浮上したルクレールも同調し、「それが『ルイスを止められる者はいるか?』という質問ならノーだ。そのチャンスがあるとすればバルテリだけど、それ以外は無理だ」と語った。

 ポイントを取り損ねてハミルトンとの差が前回よりさらに25ポイント開いたボッタスも、「もちろん、理想的ではないね…」と認めつつ、「先のことは分からないから、このまま攻め続けて信じていく」と話した。

 これで通算87勝目をマークし、ミハエル・シューマッハ(Michael Schumacher)氏が樹立した史上最多記録の91勝まであと4勝に迫ったハミルトンは、自身の独走状態を楽しんでいる一方で、もっと激しいバトルを歓迎するとしている。

「自分は生粋のレーサーなんだ」「特にホイールトゥホイールのバトルが繰り広げられるカートで育ってきたから、常にそういうレースに心が躍る」「朝起きたとき、それがモチベーションになるんだ。現状は自分が望んでいるようなタイトル争いではない。ここにいる二人(フェルスタッペンとルクレール)とは、もっともっと激しい接戦になることを望んでいる。それが自分を勢いづけるからね」

「本当に心から、今後はもっと接戦になることを期待している」「ルールもそう。結局のところ、すべてのチームにルールが与えられていて、僕たちが団結して並外れた仕事をこなしているというだけ。僕のチームを責めることはできない。僕たちが悪いのではない」

 ハミルトンは2022年に予定されている技術レギュレーションの全面的な見直しがもっと激しいレースにつながっていくことを望んでおり、「願わくば、GP2のようにスローになるのではなく、将来はもっとカートのような激しいレースになっていくことを望んでいる」と語った。(c)AFP