【8月4日 AFP】(更新)不正疑惑で捜査を受けているスペイン前国王のフアン・カルロス1世(Juan Carlos I)がスペイン国外に亡命する意向であることが分かった。同国王室が3日、発表した。

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 前国王は息子である現国王フェリペ6世(King Felipe VI)に宛てた書簡で「スペイン国民、国の機関、国王であるあなたに最も良く仕えるという信念に導かれ、今の時点でスペイン国外に亡命するという私の決断を知らせる」と述べた。

 前国王の疑惑に対する捜査はスイスとスペインで行われており、スペインのメディアはサウジアラビアから前国王に渡ったとされる資金の不透明な管理の詳細を頻繁に報じている。

 スペイン最高裁は6月、前国王の法的責任を決めるための捜査を発表したが、前国王は免責特権により、退位後の行為にのみ責任が問われる。

 スペインでは1939年からフランシスコ・フランコ(Francisco Franco)総統が独裁体制を敷いた。1975年、フランコ総統の死去を機に前国王フアン・カルロス1世が即位。前国王は同国の民主化への移行で重要な役割を果たし、数十年にわたり人気を博した人物で、2014年6月、息子のフェリペ6世が現国王に即位するまでの38年間在位した。(c)AFP