【8月3日 CGTN Japanese】火星へ向かう探査機「天問1号(Tianwen-1)」は7月27日、120万キロメートルの距離となった地球を「振り返り」ました。距離の遠さから、「天問1号」が送信してきた画像の中の地球は爪ほどの大きさで、月はさらに小さく見えます。

 画像が地球に送信され、多くのネットユーザーがコメントを寄せました。「もう銀河系を離れたのでしょうか」という質問や「怖がらないで」という励まし、「道に気をつけてゆっくり飛行してね」という気遣いなど、その内容はさまざまです。

 中国初の火星探査任務探査機システムの張玉花(Zhang Yuhua)副総指揮は、「実は、事前にこの画像の撮影を計画していた。しかし、これほど完璧に撮影できたのは望外の喜びだ」と述べました。

「天問1号」がこの画像を撮影した時、地球と月は共に夜の側にありましたが、地表と月表面の一部分は昼の明るい部分にあるため、撮影されたのは新月の形になりました。一方、重さ5トンの「天問1号」が毎日30万キロを飛行する中で姿勢を調整して撮影し、かつ画像を地球に送信できたのはハイテク技術のサポートによるものです。

 張副総指揮は、「この画像を撮影するために、われわれは事前に何度の調整が必要であるかを計算するほか、安定を確保しなければならなかった。自動露出データも正しいものでなければならない。これら一連の技術作業が正しく完璧にできてこそ、このような完璧な画像を撮影できるのだ」と語りました。

 今回の撮影は、技術者が飛行途中の「天問」に設定した「健康面のテスト」でもあります。中国初の火星探査を担う「天問」の4億キロの長い道のりはわずかな一歩を踏み出したばかりです。世界の火星探査で失敗率が50%に達したことを考えると、先の道はまだ分かりません。しかし、多くの未知と危険があるからこそ、火星の探査活動は科学技術分野における重要な出来事となり、さらに人類の勇気、夢、情熱を象徴することとなっているのです。(c)CGTN Japanese/AFPBB News