パリのバンクシー作品盗難事件、捜査班をイタリアへ導いたもの
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■「モナリザを売るのと一緒」
イタリアでの最初の隠し場所は、中東部アブルッツォ(Abruzzo)州トルトレート(Tortoreto)のホテルだった。しかしホテルで改修工事が始まったため、約15キロ離れたサントメーロ(Sant'Omero)にある農家の廃屋に移動された。
ホテルオーナーは盗品を受け取った疑いがあるグループの1人を知っていたが、大きな荷物の中身は知らなかったと述べた。
情報筋がAFPに明かしたところによると、警察は一味を一斉逮捕することを決めたが、新型コロナウイルス流行によるロックダウン(都市封鎖)でそれができなくなった。
フランスとイタリア当局の合同捜査で6月10日、「悲しい少女」はアブルッツォで押収された。事件は広く報じられたため、警察は容疑者の早急の逮捕を余儀なくされ、数日中に計9人をフランスで拘束した。
盗難を命じた疑いが持たれているのは、アブルッツォのホテルオーナーの知人とされるメフディ・メフタハ(Mehdi Meftah)容疑者(39)。バーの用心棒のような風貌とタトゥーが特徴のメフタハ容疑者は、首回りに18金が埋め込まれている高級Tシャツブランド「BL1.D」の創業者だという。
捜査当局に近い筋によると、「盗難に加担した容疑者らは、メフタハ容疑者が自宅の一つで、この扉を所有したがっていたと供述した」。これほど有名な作品を売るのは「非常に困難」だという認識があったという。
メフタハ容疑者の弁護人は、仏週刊紙ジュルナル・デュ・ディマンシュ(Journal du Dimanche)に対し、同容疑者が盗難を命じたという疑いを否定しつつ、この有名なバンクシー作品を売却するとすれば「モナリザを売るようなものだ」とコメントした。(c)AFP/Katell PRIGENT