「中国は開放路線を捨てつつある」 スイス外相が指摘
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【8月3日 AFP】スイス外相は2日発行の現地紙で、中国は西側に対する開放路線から離れつつあり、もし中国がこの姿勢を維持する場合、西側はさらに断固とした対応を取るだろうという見方を示した。
スイスのイグナツィオ・カシス(Ignazio Cassis)外相は日曜紙ゾンタークスブリック(SonntagsBlick)に対し、中国における経済の自由化は政治の自由化と比例しておらず、人権侵害が深刻化しつつあると指摘。
「われわれは、中国が開放路線から外れていく様子を目の当たりにしている」と述べたカシス外相は、「このことは、スイスも同様に自国の利益と価値観をより堅固に守らなければならないことを意味する。そのためには、国際法と多国間体制の強化などが必要になるだろう」と話した。
さらにカシス氏は、スイスと中国との対話の中には常に「法の支配と人権」がテーマとして掲げられてきたが、「事態はわれわれが予想した以上に不穏であることが分かった。人権侵害が増加し続けている。わが国はこれらの権利を守りたいと考えている」と訴えた。
その上で外相は、「もし中国が香港の『一国二制度』を放棄するのであれば、香港で投資をしてきた多くのスイス企業にも影響が及ぶ」として、「中国がこの新方針に固執するのであれば、西側世界はより断固たる対応を講じるだろう」と述べた。(c)AFP