【8月3日 AFP】国際サッカー連盟(FIFA)のジャンニ・インファンティーノ(Gianni Infantino)会長に対し、スイスの検察当局が職権乱用などの疑いで刑事訴訟手続きを開始したことを受け、FIFAは会長の留任を強調し、当局の行動を非難した。

 FIFAは2日、メディア向けの発表で、「これまでも現在も、犯罪は一切行われておらず、何らかの不法行為があったことを指し示す事実も全くないため、捜査を開始する理由はどこにもない」「会長は今後もFIFA内部での役割を全うし、職務を遂行するとともに、スイスや世界の当局に協力を続けていく」と述べた。

 インファンティーノ会長をめぐっては、スイスのミヒャエル・ラウバー(Michael Lauber)元検事総長との間に談合があった疑いがあるとして、ステファン・ケラー(Stefan Keller)特別検察官が7月30日、捜査の一環として刑事訴訟手続きを始めた。

 ラウバー氏は、2015年にFIFAを根幹から揺るがした大規模な汚職スキャンダルの捜査責任者だったが、捜査中、インファンティーノ会長と密かに面会を重ねていたことがメディアで暴露され、2019年6月に担当を外れることを余儀なくされた。そして先月24日には辞任した。

 FIFAは、ケラー検察官が法的根拠を示していないことを批判し、「ケラー氏は、捜査を始めるに足る重要な要因や法的根拠を全く提示せず、細かな情報も足りていない」「FIFAと会長は、会長が何らかの不適切な影響を及ぼそうとしたという臆測を断固として否定する」と話している。(c)AFP/Robin MILLARD