【8月3日 AFP】中国を除く初期の新型コロナウイルス感染者の大半にイタリア、中国、イランいずれかへの渡航歴があり、うち25%超にイタリアへの渡航歴があったことが、医学誌「ランセット感染症ジャーナル(Lancet Infectious Diseases)」に掲載された研究で明らかになった。

【図解】新型コロナ 患者の一部に長引く症状

 米疾病対策センター(CDC)は公表されているデータを活用し、世界保健機関(WHO)がパンデミック(世界的な大流行)を宣言する前の11週間に感染が数十カ国に拡大した流行初期の状況を調査。初期に報告された感染者のうち27%にイタリア、22%に中国、11%にイランへの渡航歴があったと指摘した。

 論文の共同筆頭著者であるCDCのファティマ・ダウッド(Fatimah Dawood)氏は、「2020年3月11日に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)がパンデミックと宣言される前に、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の感染が相当広がっていたわずか数か国からの移動が、ウイルス感染が世界に一段と拡大する素地をつくった可能性を示唆している」と述べた。

 先週の同誌に掲載されたこの研究によると、感染の報告された国での初期の感染者のうち、4分の3が感染の少し前の渡航とのつながりがあると指摘された。上の3か国以外に東南アジア、欧州、アフリカ、米州への渡航が確認されたという。

 研究では各国の保健省や政府機関がウェブサイトで発表した報告書、ソーシャルメディアへの投稿、初期の感染・流行に関する公表情報などがデータとして使われた。(c)AFP/Kelly MACNAMARA