【8月2日 AFP】9月に開催を予定しているテニスのマドリード・オープン(Mutua Madrid Open 2020)について、地元州政府が新型コロナウイルスの感染再拡大に伴う大会中止を勧めていることが分かった。主催者が1日に発表した。

 大会はもともと5月に開催するはずだったが、9月12日から20日に予定を変更して行うことになっている。

 主催者は「われわれは、選手とファン、スタッフに影響し得る衛生面の問題から解放された状態で大会を開催できるのか、懸念を示した」「この状況を踏まえ、アントニオ・サパテーロ(Antonio Zapatero)公衆衛生局副長官に助力を求めたところ、昨今の感染傾向を考慮して、大会は開催しない方が良いという助言を受けた」と発表した。

 スペインでは新型ウイルスの感染者数がしばらくの間劇的に減少していたが、このところは再び増加に転じ、大会開催が真剣に危ぶまれる状況に陥っている。ここ1週間は1日あたりの新規感染者数が2000人以上に上り、先月31日時点で合計感染者数は約28万8000人以上、死者は2万8445人となっている。

 大会は、すでに出場を表明している優勝5回で世界ランキング2位のラファエル・ナダル(Rafael Nadal)ら、有力選手が集まることを期待していた。現時点で中止が決まったわけではなく、最終的な決定権は大会のライセンスホルダーにあるという。

 主催者は「あらゆる選択肢を分析し、慎重に評価しつつ、全関係者の安全を確保することに常に集中している」と話している。

 大会が開幕する9月12日は、米ニューヨークで行われる全米オープン(US Open Tennis Championships 2020)の女子シングルス決勝当日で、男子決勝の前日にあたる。(c)AFP