【8月2日 AFP】サッカーイングランドFAカップ(FA Cup 2019-20)は1日、決勝が行われ、アーセナル(Arsenal)はピエール・エメリク・オーバメヤン(Pierre-Emerick Aubameyang)の2得点でチェルシー(Chelsea)を2-1で下し、大会最多14回目の優勝を果たした。

 無観客のウェンブリー・スタジアム(Wembley Stadium)でチェルシーは、クリスティアン・プリシッチ(Christian Pulisic)のゴールで幸先良く先制したが、アーセナルはオーバメヤンがペナルティーエリア内でセサル・アスピリクエタ(Cesar Azpilicueta)に倒されて得たPKを自ら決めて同点とした。

 そしてオーバメヤンは67分に見事なフィニッシュで決勝点をマークし、就任1年目のミケル・アルテタ(Mikel Arteta)監督にタイトルをプレゼントした。チェルシーは2点目を奪われた後、マテオ・コバチッチ(Mateo Kovacic)が疑惑の判定で2度目の警告を受けて数的不利に立たされたことが響いた。

 試合前にアルテタ監督は、優勝の美酒を味わうことにより、契約が残り1年となっているオーバメヤンが新たな長期契約を結ぶことにつながると期待を示していた。

 優勝セレモニーでトロフィーを持ち上げる際に落としてしまったオーバメヤンについてアルテタ監督は、「彼にはもっとトロフィーを扱う経験が必要だ。われわれはそれに慣れさせてあげることができる」と冗談を飛ばした。

「彼は私がどう考えているか理解している。彼を中心としたチームを築いていきたい」「彼は残りたいと思っているはずだ。契約をまとめる」

 この日の2ゴールで今季公式戦での得点数を29としたオーバメヤンの活躍により、アーセナルは来季のヨーロッパリーグ(UEFA Europa League 2020-21)の出場権を確保。1995-96シーズン以来となる欧州の切符を逃すという失態を免れた。

 一方チェルシーは、フランク・ランパード(Frank Lampard)監督の1年目の最重要課題だった来季の欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League 2020-21)出場権を獲得しているが、リーグトップ4フィニッシュを指揮官の初タイトルで祝うことはできなかった。

 英BBCに対しランパード監督は、「ゴールを決め、ほかにもチャンスがあった開始10分から15分は良かった。そこからは自分たち自身を責めるほかない」とコメントした。

「われわれは自己満足しているときに見られるようなコントロールに走った。安易に短いパスをつなごうとした。決勝は決して簡単なものではない。そして相手を立ち直らせてしまった」

 チェルシーの指揮監督として初めてのトロフィーを逃したランパード監督は、フラストレーションを隠すことができず、「プレーが遅く、自陣に引いてしまい相手のプレッシャーを招いた。そこから選手はどうしたらいいかわからない状態だった。決勝で勝つために十分なプレーではなかった」と続けた。(c)AFP/Kieran CANNING