【8月1日 AFP】英サッカーのクラブチームの元指導者で、少年12人への虐待と9人への性的暴行で有罪判決を受けたバリー・ベネル(Barry Bennell)受刑者(66)に対し、リバプール刑事法院(Liverpool Crown Court)の判事は31日、「純然たる悪」と厳しく非難した。

 現在英フットボールリーグ2(4部)に所属するクルー・アレクサンドラFC(Crewe Alexandra FC)の元コーチであるベネル受刑者は、1979年から1991年にかけて行われた50件の少年への虐待で2018年に有罪判決を受け、現在は同国南東部のリトルヘイ刑務所(HM Prison Littlehey)で30年の刑期に服している。

 現在イングランド・プレミアリーグに所属するマンチェスター・シティ(Manchester City)でスカウトを務めていた経歴も持つ同受刑者はこの日、ビデオリンク方式で出廷し、1979年から1988年にかけて行われた被害者2人に対する3件の性的虐待と6件の強制わいせつ行為の罪状を認めた。

 警察は2018年に、ベネル受刑者から被害を受けた人物は100人以上に上る可能性があると指摘していた。

 クレメント・ゴールドストーン(Clement Goldstone)判事は、「あなたは悪の権化だ。自分の倒錯した欲望を満たすために、子どもたちの幼少期と純潔を奪った」「あなたは少年たちを手なずけて誘惑し、彼らを支配した。そして一部のケースは最も深刻なもので、下劣かつ屈辱的なその虐待行為はまさに純然たる悪だ」と述べた。

 すでに別の被害者16人に対する同様の罪で3度にわたり計15年の刑期を送ったベネル受刑者をめぐっては、リバプール(Liverpool FC)やトッテナム・ホットスパー(Tottenham Hotspur)などでプレーし、イングランド代表でも活躍したポール・スチュワート(Paul Stewart)氏も、10代のころに受けた虐待の様子を告白していた。

 そのきっかけとなったのは、クルー・アレクサンドラFCの元選手であるアンディ・ウッドワード(Andy Woodward)氏が、同受刑者への疑惑を公表したことだった。(c)AFP