【8月1日 AFP】英政府は7月31日、新たに上院議員となる36人の名簿を公表した。

 ボリス・ジョンソン(Boris Johnson)首相は、弟のジョー・ジョンソン(Jo Johnson)氏に上院の議席を与えた。ジョー氏は首相が推し進めた英国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット、Brexit)に反対し、担当相の職を辞任していた。

 一方で、政府のブレグジット計画を阻止しようと何度も試みたジョン・バーカウ(John Bercow)前下院議長は上院の議席を与えられなかった。英国がブレグジットに向かっていた時期に議会で「オーダー!オーダー!(静粛に!静粛に!)」と大声で叫ぶバーカウ氏の映像は広く拡散され、世界のメディアの注目を浴びた。英国の下院議長経験者が上院議員にならないのは過去200年以上で初となる。

 ジョンソン首相の政敵の一人、野党スコットランド民族党(SNP)のピート・ウィシャート(Pete Wishart)議員は、ジョンソン首相が「友人や自身に尽くした人々」に上院の議席を与えるという「最悪なえこひいき」をしたと非難した。

 バーカウ氏が上院議員に指名されない可能性があると6月に報じられた際、同氏は10年にわたって下院議長を務めた中で「多くの敵をつくった」と語っていた。

 英国の上院議員は辞任や退職が認められているものの任期は終身。定数はなく、新たな議員が加われば800人以上になる。ピーター・ノーマン・ファウラー(Peter Norman Fowler)上院議長は、上院議員を600人にまで削減するよう提言している。(c)AFP