【7月31日 AFP】世界各地の亡命ウイグル人らを束ねる組織「世界ウイグル会議(WUC)」は30日、中国が新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)の人々を「大量虐殺」しているとして、国際オリンピック委員会(IOC)に対して2022年の北京冬季五輪開催を再考するよう求めた。

 同地域の北西部で暮らす少数民族の命運をめぐり、中国共産党は世界からの圧力が強まっている。

 人権団体や専門家らによれば、新疆ウイグル自治区では100万人以上のウイグル人やチュルク系民族を主とする他の少数民族が収容所に集められ、政治的洗脳を受けているという。

 IOCのトーマス・バッハ(Thomas Bach)会長に宛てられた公開書簡の中で、ドイツ・ミュンヘン(Munich)に拠点を置くWUCは、中国が「ジェノサイド(大量虐殺)や人道に対する罪を犯し」同地域における「ウイグル人や他のチュルク系民族を拷問している」と批判した。

 ドルクン・エイサ(Dolkun Isa)会長が署名したこの書簡には、「北京が2022年冬季五輪の開催地に選ばれてから、国際オリンピック委員会が中国における人権の状況に対処していないことに、これまでわれわれはひどく失望してきた」と記されている。

 IOCの広報担当者は、国際的な政治問題に対して中立の立場を取り続けるとコメントした。

 2008年の五輪開催地に選ばれた北京は、史上初めて夏季および冬季の五輪を行う都市となった。(c)AFP