【7月31日 AFP】カナダのジャスティン・トルドー(Justin Trudeau)首相は30日、自身の家族が多額の講演料を受け取っている慈善団体と政府の契約交渉に自身が参加したことをめぐり議会で宣誓供述を行い、一切の利益相反行為を否定した。

 トルドー氏は疑惑の広がりを阻止するため、下院財政委員会で90分にわたり供述するという、首相としては異例の対応を取った。

 同氏は疑惑の中心となっている若者支援NGO「ウィー・チャリティー(WE Charity)」について「公的機関がウィー・チャリティーを勧めるよう、私や私のスタッフが指示したことや、そのような働きかけを試みたことは一度もない」と述べた。

 ウィー・チャリティーは、トルドー氏の母ときょうだいと講演契約を結び、講演料としてここ数年で計30万カナダ・ドル(約2400万円)近く支払ったことを明らかにしている。また、トルドー氏の妻は、夫が自由党党首になる前の2012年のイベントで、1500カナダ・ドル(約12万円)を受け取っている。

 トルドー氏は13日、政府が学生に助成金を支給するプログラムの第三者管理機関としてウィー・チャリティーと契約したことについて、契約交渉に自身が参加したことは「誤り」だったと謝罪した。

 このプログラムは当初、9億9000万カナダ・ドル(約780億円)規模だったが、地元メディアは、最終的に約5億カナダ・ドル(約390億円)になったとカナダ青年相が述べたと報じている。

 ウィー・チャリティーは既にプログラムから撤退しているが、疑惑は消えていない。複数の報道によると、ウィー・チャリティーは既に4000万カナダ・ドル(約31億円)以上を受け取った可能性があるという。

 野党・保守党は、ウィー・チャリティーがトルドー氏の親族の旅費21万2000カナダ・ドル(約1700万円)を支払ったと批判している。

 トルドー氏は、親族のウィー・チャリティーでの活動に気付いていたことは認めたが、旅費を含め何らかの報酬を受け取っているとは知らなかったとしている。(c)AFP