【8月1日 Xinhua News】夏休みシーズンを迎え、中国では新型コロナウイルス感染症の長期化した予防・抑制措置が続いている。中医薬産業が盛んな甘粛省(Gansu)では、中国医学と西洋医学の融合が感染予防・抑制に重要な役割を果たしている。

 100年近い歴史を持つ蘭州仏慈製薬は新型コロナウイルスの感染拡大後、中医薬の香り袋や代用茶、薬香防虫飾りひもなど、さまざまな中医薬製品を次々と開発。電子商取引(EC)プラットフォームを通じて販売している。

 同社の石愛国(Shi Aiguo)董事長は、海外で感染が拡大する中、中医薬は世界の感染対策に中国の知恵で貢献できると語った。

 企業だけでなく、医療機関も中医薬製品の開発を積極的に進めている。甘粛中医薬大学付属医院は中医薬の香り袋などを製造するほか、食事療法や内服用煎じ薬、足湯など8種類の基本予防処方薬と処方箋を一般向けに推奨している。

 甘粛省の中医薬文化は歴史があり、同省は感染発生後まもなく、中医薬予防治療専門家チームを設立した。中医薬製品は湖北省(Hubei)の感染予防・抑制にも幅広く応用された。

 蘭州大学(Lanzhou University)第二医院の湖北医療支援チームは中国医学と西洋医学を融合した治療を重視し、同チームの担当エリアでは中国医学と中医薬が全ての治療に使われた。

 同医院の王琛(Wang Chen)院長は、医療スタッフが中医薬の煎じ薬治療を基本として、鍼灸(しんきゅう)や、経穴(つぼ)貼り、足湯などの治療法を模索し、担当エリアの軽症患者に呼吸法や八段錦(中国気功法の一つ)を練習させたと説明。中国医学と西洋医学の融合で患者の治癒率が効果的に高まり、死亡率が低下したと振り返った。(c)Xinhua News/AFPBB News