【7月31日 AFP】バラク・オバマ(Barack Obama)前米大統領は30日、米公民権運動を率いたジョン・ルイス(John Lewis)下院議員の葬儀で述べた弔辞で、ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領の政策をこれまでで最も厳しく非難した。トランプ氏を名指しはしなかったものの、デモ隊鎮圧への連邦要員の投入やマイノリティーの有権者に対する抑圧、郵便投票批判などを問題として指摘した。

 オバマ氏は「今日われわれは、警察官が黒人の米国人の首を膝で押さえつけるのを、この目で目撃している」「われわれは、連邦政府が要員を派遣し、平和的なデモ隊に催涙ガスや警棒を使用させるのを目撃している」と述べた。

 さらにオバマ氏は、「われわれがここに座っている間にも、権力の座にいる者たちが投票所を閉鎖し、マイノリティーや学生らを標的に厳格な身分証明を求め、投票権をピンポイントで攻撃し、感染症予防のため郵便投票に頼ることとなる選挙を前に郵便サービスの信頼性を損ねるなど、国民に投票させないよう躍起になっている」と批判した。

 オバマ氏はまた、ジョージア州選出の米連邦議員として17期務め、17日に80歳で亡くなったルイス氏について、アフリカ系米国人の公民権のため人生をささげて黒人初の大統領誕生に道を開いたと追悼。「米国の民主主義を守るためできること全て」をしたとたたえ、「われわれも息のある限り、ルイス氏の大義を継続していかなければならない」と訴えた。(c)AFP/Chris Lefkow