【8月1日 AFP】新型コロナウイルス流行によるロックダウン(都市封鎖)の最中、電子商取引で世界に追いつきたいキューバ共産党の指導部はネット通販の利用を奨励したが、結果、多くのユーザーを怒らせることになった。

 新しいテクノロジーに関するブログを主宰している首都ハバナ在住の技術者、ホルヘ・ノリス(Jorge Noris)さん(34)が初めてオンライン・ショッピングで注文した品はつ結局手元に届かなかった。「1か月たって、注文の品が届いたかどうか尋ねる電話が店からあった」。返金を受けるために、店頭まで行かなければならなかったのも驚きだった。

 新型ウイルス流行の影響で、食品のオンライン通販は世界中で大盛況だ。だが、2018年に第3世代(3G)移動通信システムが本格展開したばかりのキューバでは、「トゥエンビオ(Tuenvio)」というオンラインストアが立ち上がっただけで、オンライン通販自体がまだ新しい。

 一方、米国による経済制裁下で品不足のキューバでは、食品店の前の長蛇の列は日常的な光景だ。トゥエンビオの目標はこの憂鬱(ゆううつ)な列を葬り去ることだったが、今やネット通販を利用した消費者らが苦情を言ったり、行方不明の品物を受け取ったりするために実店舗の前に列をつくっている状況だ。