【7月31日 AFP】ワールドアスレティックス(World Athletics、世界陸連)は30日、ロシア陸上競技連盟(RUSAF)がドーピング違反で科された罰金や関連費用など約630万ドル(約6億6000万円)を来月15日までに支払わなければ、同連盟を除名処分にする可能性があると明らかにした。

 世界陸連の作業部会で責任者を務め、ロシアの資格回復問題に取り組んでいるルネ・アンデルセン(Rune Andersen)氏は、この5年間において「ロシア陸上界の慣習はほとんど変わっていない」との見解を示した。

 また、ロシアのオレグ・マティツィン(Oleg Matytsin)スポーツ相から同日に書簡が届き、支払いが滞っている罰金500万ドル(約5億2500万円)と関連費131万ドル(約1億3800万円)に関して、来月15日までに支払うとの「無条件の確約」があったことも明らかにした。RUSAFは罰金に関して、今月1日の支払い期限を逃していた。

 これらの未払い金が支払われない場合、世界陸連は「できるだけ早期」に総会を開いてRUSAFの除名処分を決議する意向であるという。RUSAFに対しては、罰金の支払いと同時に、来月31日までに反ドーピングおよびガバナンス改革に向けた誓約も含め、詳細な資格回復計画を作成することも要請した。

 RUSAFは2015年から資格停止処分となっており、ロシアの陸上選手は2016年リオデジャネイロ五輪への出場を禁止された。除外処分が決定すれば、ロシアの陸上選手は個人資格での出場が認められていたアスリートも含め、来年の東京五輪をはじめとした国際スポーツ大会に出られなくなる。

 ロシアのトップ選手では、女子走り高跳びのマリア・ラシツケネ(Maria Lasitskene)に加え、男子ハードルのセルゲイ・シュベンコフ(Sergey Shubenkov)と女子棒高跳びのアンジェリカ・シドロワ(Anzhelika Sidorova)らが公然とRUSAFを批判してきた。

 これらの選手は6月、ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領に対して、自分たちが東京五輪に出場できる道を模索するように求めていた。(c)AFP/Guy JACKSON