【7月30日 AFP】タイのジャングルをゆっくり歩く野生のトラがこのほど撮影され、29日にその映像が公開された。このトラはこれまで未確認の個体とされていて、保護活動家らは絶滅の危機に瀕(ひん)する動物の個体数回復の兆候であるとして歓迎している。

 東南アジアに生息する野生のトラは、約1世紀前の10万頭から、現在では約4000頭にまで激減している。専門家らは、トラを保護する上で東南アジア地域はカギとなると指摘している。

 中国やベトナムではトラの毛皮や一部部位に需要があり、これが密猟の主な要因となっている。

 トラの映像は、29日の「世界トラの日(Global Tiger Day)」に合わせてタイで活動する保護団体が公開した。同国でこうした映像や写真が撮影されるのは4年ぶりのことだという。

 公開された映像には、仕掛けられた複数のカメラの前をゆっくりと歩くトラ数頭の姿が捉えられていた。そのうちの一頭については、カメラを見つけてクンクンとレンズのにおいを嗅ぐ様子も見られた。

 動物保護団体「パンセラ(Panthera)」の主任研究員、ジョン・グッドリッジ(John Goodrich)氏は「とてもエキサイティングだ」と映像について述べ、「われわれの保護活動が奏功していることが見て取れる。この地域でトラの生息数が回復し始めている」と続けた。

 タイではこの10年間、トラの保護活動が強化されており、今では最大で200頭ほどのトラが生息していると考えられている。

 ロンドン動物学会(Zoological Society of LondonZSL)のタイ担当責任者、アイリーン・ラーニー(Eileen Larney)氏は「20年以上行ってきたフィールドワークの中でも、この映像は最高のものの一つだ」と話した。

 映像はパンセラやZSLなどが今年2月と3月に撮影、29日公開・提供。(c)AFP