■人気の理由は?

 スクリーンゴルフの人気を後押ししているのはその利用のしやすさだという。

 韓国は女子の世界ランキング上位20位に8人が名を連ねるなど、ゴルフ強豪国として力を誇り、国内では見るスポーツとして定着している。しかし、国土の65パーセントが山地の人口5200万人の韓国では、ゴルフコースに使用される土地は貴重で、クラブ会員の門戸は非常に狭く、コース使用料は高額になる。

 スクリーンゴルフはその受け皿となっている。ゴルフゾンの施設では昨年約6000万ラウンドが行われ、2020年上半期の売り上げは10パーセント増だという。

 ゴルフゾンの代表は、技術の進歩が「本物のゴルフとスクリーンゴルフの差を小さくしている」とし、KPGAツアーの1部でプレーする選手の関心は「上昇傾向にある」と明かした。

 女子プロ選手の関心は男子プロ選手よりも薄いという。韓国では女子の方が男子より金銭面で恵まれ、より賞金が高額な大会が多かったり、より多くのスポンサーを見込めたりする。

 また、スクリーンゴルフの大会のファン自体も増えており、今月の大会は新型コロナウイルスの感染予防のため無観客で行われたが、最大200人が観戦に訪れるという。

 大田の会場には27ものブースが設けられ、臨場感を高めるために特別な効果音を出すスピーカーが設置されている。良いショットには拍手が起き、女性の黄色い声援も上がる。

 バンカーに入った場合は、砂からボールを出す感じを疑似的につくりだすため、選手は次の一打を毛足の長い専用マットから打たなければならない。

 しかし8歳でゴルフを始め、現在KPGAツアーの2部でプレーする24歳のキム・ダフン(Kim Da-hun)は、バーチャルとリアルにはまだ差があると話す。「実際のコースでは手のほんのささいな感覚や風の動きがプレーに影響する。だがここではショットの角度やスピードでほとんどが決まる」 (c)AFP/Kang Jin-kyu