【7月30日 AFP】男子テニスの世界ランキングで1位と2位につけるノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)とラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)、また女子の同9位セレーナ・ウィリアムス(Serena Williams、米国)が、全米オープン(US Open Tennis Championships 2020)の前哨戦であるウェスタン&サザンオープン(Western & Southern Open 2020)にエントリーしたことが29日に分かった。

 男子プロテニス協会(ATP)、女子テニス協会(WTA)、そして大会の主催者が同日、シングルスの最初のエントリーリストを発表した。ウェスタン&サザンオープンは例年、オハイオ州シンシナティ(Cincinnati)で行われているが、今年は新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)の影響で会場がニューヨークに変更された。

 8月20日から28日にかけ、フラッシング・メドウズ(Flushing Meadows)のビリー・ジーン・キング・ナショナル・テニスセンター(USTA Billie Jean King National Tennis Center)で開催される今年の同大会は、無観客の隔離環境下で行われ、同会場で同31日に開幕する全米オープンも同様の条件となる。

 ウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2019)と全豪オープン(Australian Open Tennis Tournament 2020)の現王者ジョコビッチと、全仏オープン(French Open 2020)と全米オープンで連覇を狙うナダルは、米国中で新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が流行している間に全米オープンを開催するという判断に懸念を示していた。

 フロリダ州やテキサス州、カリフォルニア州といった地域がホットスポット(局地的流行地)になっているのに対し、ニューヨークでは3月と4月に感染者数が急増したものの、その後は比較的抑え込んでいる。

 男子のトップ10でエントリーリストに名前がなかったのは、負傷中の世界4位ロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)と同9位のガエル・モンフィス(Gael Monfils、フランス)のみとなっており、同5位で前年王者のダニール・メドベージェフ(Daniil Medvedev、ロシア)はリストに名を連ねた。

 一方、9月に39歳になるセレーナは、四大大会(グランドスラム)のシングルスで通算23勝を収めており、マーガレット・コート(Margaret Court)氏が持つ最多記録にあと一つと迫っている。2017年に出産したセレーナは、2018年と2019年のウィンブルドンと全米オープンで決勝に進むも、そのすべてで敗れている。

 セレーナは全米テニス協会(USTA)が全米オープンの開催を発表した当日に出場を明言しており、8月上旬に米ケンタッキー州レキシントン(Lexington)で行われる新設大会「トップシード・オープン(The Top Seed Open 2020)」にもエントリーしている。

 女子のランキング上位6選手でエントリーリストに入っているのは、世界3位のカロリーナ・プリスコバ(Karolina Pliskova、チェコ)と、全豪オープン女王で同4位のソフィア・ケニン(Sofia Kenin、米国)のみとなっている。

 同1位で全仏オープン女王のアシュリー・バーティ(Ashleigh Barty、オーストラリア)は欠場を表明しており、同2位でウィンブルドン女王のシモナ・ハレプ(Simona Halep、ルーマニア)、同5位のエリナ・スビトリーナ(Elina Svitolina、ウクライナ)、同6位のビアンカ・アンドレスク(Bianca Andreescu、カナダ)も出場を見送る見通しとなっている。

 また、16歳のコリ・ガウフ(Cori Gauff、米国)と前年女王のマディソン・キーズ(Madison Keys、米国)はリストに名を連ねた。

 男子はトップ43人中ほぼ全員がエントリーしたのに対し、女子は上位53人中39人しか出場しない見通しとなっている。(c)AFP