【7月30日 AFP】米国は29日、シリアのバッシャール・アサド(Bashar al-Assad)政権への資金源を断つための措置として、アサド大統領の長男ハフェズ(Hafez al-Assad)氏(18)に制裁を科した。

 米国務省の発表によると、ハフェズ氏は米国への渡航や米国内での資産保持が禁止される。

 今回の措置は、米国で6月に発効したシーザー法(The Caesar Act)に基づいた制裁の第2弾。9年間にわたり続くシリア内戦では、アサド政権が国内領土の大部分の奪還に成功しているが、シーザー法は同政権の正統性を決して認めないことを目的としている。

 アサド大統領と妻のアスマ(Asma al-Assad)夫人は、すでに米国の制裁対象となっている。長男ハフェズ氏の名は、祖父の故ハフェズ・アサド前大統領にちなんでいる。

 匿名を条件に記者団の取材に応じた米高官は、アサド夫妻の子どもたちのうち唯一成人しているハフェズ氏に対する制裁には、同氏が海外で一族とのパイプ役となることを阻止する狙いがあると説明。さらに、「一族の中で頭角を現しつつある」ことも理由となったと述べた。(c)AFP