【7月30日 AFP】11月の米大統領選挙で民主党候補指名を確実にしているジョー・バイデン(Joe Biden)氏が副大統領候補として誰を選ぶのかは、米政界のトップシークレットとなってきた。だが、その人物がカマラ・ハリス(Kamala Harris)上院議員である可能性が、米政治メディアによる記事の誤配信や、バイデン氏自身が思わせぶりにちらつかせたメモ帳から浮上した。

 副大統領候補の人選をめぐっては4年ごとに推理合戦が繰り広げられるのが恒例だが、今回の選挙では特に注目が高まっている。

 バイデン氏は、世論調査の支持率で共和党のドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領を大きく引き離している。当選すれば歴代大統領で最高齢の78歳で就任することになるが、本人は1期のみでの退任を示唆しており、そうなれば副大統領が次の大統領選で民主党候補の指名を獲得する可能性が高い。バイデン氏はまた、早期から副大統領には女性を選ぶと明言し、注目を集めた。

 ハリス氏は上院での実績を含め輝かしい経歴を持っており、今回の大統領選では民主党候補者指名争いに立候補したが撤退し、バイデン氏支持を表明していた。また、「黒人の命は大切(Black Lives Matter)」運動が盛り上がりを見せる今、黒人であることも強みとなる。

 バイデン氏は28日、記者団を前に、副大統領候補の人選は「8月第1週」に明らかにすると述べた。だがその際、手にしていたメモ帳には「カマラ・ハリス」の名前が書かれており、その下には「根に持たない」「選挙運動の大きな助力に」「大きな尊敬を集めている」といった長所が列挙されていた。他の副大統領候補についてのメモも持っていた可能性はあるが、そうだとしてもAFPなどのカメラマンが撮影できる場所に取り出されることはなかった。

 さらに、評価の高い米政治ニュースサイト「ポリティコ(Politico)」では、ハリス氏が副大統領候補に選ばれたと伝える記事が“誤配信”され、一部の米政界関係者を驚かせた。同サイトは直ちに該当部分を削除。ブラッド・デイスプリング(Brad Dayspring)副社長(マーケティング・コミュニケーション担当)は、予定稿を誤って掲載してしまったと説明した。(c)AFP