【7月29日 AFP】香港で2014年に行われた大規模な民主化デモ「雨傘運動(Umbrella Movement)」主導者の一人で、香港大学(University of Hong Kong)法学部副教授の戴耀廷(ベニー・タイ、Benny Tai)氏(56)は28日、同大から解雇されたと発表した。同市にある中国政府の連絡事務所は解雇を称賛している。

 戴氏は解雇を受け、大学側が中国政府からの政治的圧力に屈したものだと非難。フェイスブック(Facebook)に「香港での学問の自由は終わった」と書き込んだ。一方、香港にある中国政府の出先機関、香港連絡弁公室は戴氏の解雇について「悪を罰し、美徳をたたえるものだ」と歓迎した。

 戴氏は香港の民主化運動の中心的存在で、非暴力主義を強く主張。昨年には、香港中心部の各地を数週間にわたり占拠した2014年の雨傘運動への関与をめぐり実刑判決を受け、服役していた。

 戴氏はまた、9月に行われる立法会(議会)選挙での民主派候補を選ぶ予備選挙の運営にも関与。これを受け中弁連は今月、戴氏が革命を起こそうとしていると非難していた。

 中国は愛国教育の強化を求めているほか、香港に国家安全維持法を導入。同法により、独立や自治拡大の呼び掛けなど、特定の政治的見解は違法となった。(c)AFP