【7月29日 People’s Daily】人的資源・社会保障部は最近、職業の種類について調整を行い、インターネットマーケティング担当者など新たな10職業とライブ配信販売員など新たな8職種を増加させた。今年3月にも、呼吸治療師やネット通信販売配達員など第2弾の16職業が正式に発表され、相次いで高い評価を受けた。新職業と新スタイルの就職が広く注目を集めている。

 雇用は経済のバロメーターであり、新スタイルの就職には中国経済の活力と強靱(きょうじん)性が映し出され、チャンスと希望をもたらすものでもある。5月には全国の都市部登録失業率は5.9%となり、前月より0.1ポイント低下した。このようやく達成された失業率低下から、新型コロナウイルス感染症の打撃を受けながらも、中国の雇用情勢は全体的な安定を維持したことがわかる。その背後で安定を支えたのは、新職業が開拓した就職の新たな可能性だ。従来型産業が感染症の打撃を受ける中、新職業と新スタイルの就職が雇用を増やし、このことは空白を埋め、雇用市場を安定させる上でプラスにはたらいた。

 新業態が新職業を生み出し、新職業が新スタイルの就職をもたらした。新職業は何もないところから突然生まれたわけではなく、中国経済発展の新たな原動力が絶えず育成され、大きく成長して、そこから自然に生まれたものだという点を見る必要がある。世界では感染症がまん延し続け、海外からのニーズが減少し、中国経済の下ぶれ圧力が増大したが、技術革新とニーズの高度化にともなって生まれた新たな業態、新たなモデル、新たな産業が次々登場する中で、工学技術の仕事、近代的サービス業分野に関わる各垂直型業態が必要とする新職業も徐々に生まれている。特に常態化した感染症対策と経済社会発展の取り組みを統一的に推進する中で、オンライン教育、ライブコマース、生鮮EC、オンライン診療などを代表とするデジタル経済が勢いよく発展し、さまざまな新職業を派生させ、関連業界では企業の求人が流れに逆らって増加した。ライブコマースを例にすると、バックヤードでの技術の運営・メンテナンスを除いた前面に出ている仕事だけでも、ライブ配信パーソナリティー、パーソナリティーのマネジャー、シーン製作者、ライブ配信の講師、ライブ配信の編集者、商品選択者などの新たなポジションが次々に登場している。

 多くの新職業は「年が若い」が、需要が大きく、すみ分けが細かく、専門性が高く、雇用問題の解決に大きな役割を果たす。新職業は単にこれまでにない職業体験ということを意味するだけではなく、より大きな職業の可能性、より多様化した職業のモデル転換のチャンスということも意味し、とりわけ大学生などの重点就職層に新たな選択肢を提供した。関連の報告によると、今年1月1日から6月15日までの間に、ライブ配信業界の雇用は前年同期比約134.5%増加した。生産・製造・建築分野の技術革新がもたらした新職業であれ、近代的サービス業の急速な発展が生み出した新職業であれ、はたまた大量の健康ケアサービスのニーズから生まれた新職業であれ、どれも就職の見通しが明るい。

 新職業の多くはデジタル経済と関係があり、「デジタル化による生存」の特徴が明らかで、時間や場所の制約を打ち破ることが可能だ。同時に、雇用スタイル、雇用関係にも新たな形が派生し、非フルタイムの柔軟な雇用、アルバイト経済といった属性が顕在化し、協力を土台とする関係が就職の新たなスタイルになった。食品デリバリー配達員、運転代行、ネット配車の運転手でも、プラットフォームのパーソナリティー、ショート動画の制作者、企業のシェア社員でも、こうした新職業のポジションは業務が細分化し、勤務が弾力的であるという特徴を備える。そのことが新職業で働く人々に余暇や空き時間をより多く利用して兼業の仕事に従事するチャンスを与えている。新職業、新スタイルの就職のこのような新しい特徴をしっかりつかみ、奨励と誘導を強化すれば、雇用の権利を保障し、新スタイルの就職に雇用の安定を支える役割をよりよく発揮させることができる。

 基本的側面をみると、中国経済の安定さの中で好転し、長期的に好調さを維持する基本的な流れは変わらず、これからも変わることはない。政策面をみると、各地域・各当局は目下、雇用優先政策を全面的に強化し、一連の企業支援・雇用安定政策を次々に打ち出している。従来型業界の雇用は安定とストックの最適化に向かい、新職業と新スタイルの雇用が次々に生まれ、新たな雇用を生み出している。中国には十分な雇用を生み出せる自信があり、生み出せる能力があり、雇用情勢の全体的安定を維持できる自信も能力もある。(c)People's Daily/AFPBB News