【7月28日 People’s Daily】今、新しい技術が中国・山東省(Shandong)安丘市(Anqiu)の農地で実用化されている。「スマート農業」の技術で農民は収入が増え、彼らの生活は豊かになっている。

 安丘市官荘鎮(Guanzhuang)にある富士康スマートIoT農業の農園内では、ブドウが生い茂っていた。ブドウの株には小さなセンサーが付いている。

 社長の王宝傑(Wang Baojie)さんはこう話す。「これは植物茎内の水の流れを測るセンサーです。これを使って、株ごとの毎日の水分蒸発量を計測しています。私たちはこれを通して、ブドウの木が毎日どれくらいの水を求めているかを理解し、ビッグデータの分析にかけた後、毎回の水やりを過不足なく行うことができます」「農園の栽培棚は、全て富士康スマート農業が管理しています」。王宝傑さんは言う。このプログラムが完結した後、先進的な「モノのインターネット(IoT)」「スマート農業」がここで実を結んだという。

 栽培棚の中では、67歳の王桂芝(Wang Guizhi)さんが1人で4ムー(約2600平方メートル)のビニールハウスを軽々と管理しており、1台の携帯電話で園内の水やりや肥料やりなどを遠隔で楽に管理できるという。

 王桂芝さんのような農民はますます増えており、新技術がもたらす恩恵を享受している。安丘市石堆鎮(Shidui)では、50ムー(約3万3000平方メートル)の農地にきれいに並んだネギが成育中である。このネギは山東沃華農業科技社(Shandong Wohua Agricultural Science and Technology)の自動化機械が植えたものだ。村民の趙志科(Zhao Zhike)さんはうれしそうに思案する。「1ムー(約667メートル)のネギの植え付けから収穫まで、会社のサービス資本は3000元(約4万5000円)前後ですから、自分で人を雇うのと比べて、1ムーあたり500元(約7500円)は節約できます」

 沃華農業科技社の工場化育苗センター主席技術者の劉凱(Liu Kai)さんが言うには、1つの苗床で660の苗を育てることができる。従来なら2人で1日かけて1ムーの農地の種まきをするのがやっとだったが、現在は1台の機械で1日8ムー(約5000平方メートル)から10ムー(約6600平方メートル)の種まきができるようになった。種のコーティング加工、精密かつ大量化した種まき、工場化した育苗、自動化した植え替えは、同社が提供する全産業の中でもキーサービスである。同社は全工程を機械化したネギの作付面積を3万ムー(約20キロメートル)にまですでに広げ、累計顧客は3000戸以上となった。

 また、安丘市ではオンライン販売にも力を入れており、クラウド上で多くの成約を取った。安丘市では農村に権限を委託し、SNSを駆使しながら、正確な農産物の需給に努めている。

 農村への権限委託運営センターで、責任者の馬玉友(Ma Yuyou)さんが彼らの運営モデルを説明してくれた。県を1単位として、郷・村で実際にスマート農業の実践を行う。Eコマースサービスのシステムを整備し、農村には市場とのドッキング・Eコマースへの参与・農産物の供給・市場での営業の権限を委託する。

 現在、安丘市で開設された村の店舗は1229店となり、41の企業の関心を引き、900種類あまりの商品が売り出され、19万1000戸がこれに関わった。6月末までに売上額は4641万元(約7億150万円)に達し、農家と農村全体で305万元(約4610万円)の増収となり、貧困家庭では最高増収3000元(約4万5000円)あまりとなった。(c)People's Daily/AFPBB News