【7月28日 People’s Daily】今年3月初め、1本の電話の後、于海燕(Yu Haiyan)さんは恨む気持ちを抑えられずにいた。務めていたレストランでは人がいらなくなったのだ。

 于海燕さんはもともと、中国東北部・黒竜江省(Heilongjiang)牡丹江市(Mudanjiang)馬河村(Mahe)の農民だった。数年前、夫を肝臓がんで亡くした。半年近くの治療で多くない貯金を使い切った于海燕さんには、少なからぬ借金がある。老いた母と大学2年生の息子を抱え、于海燕さんはもともと早く復職してお金を稼ぐつもりでいたが、突然巻き起こった新型コロナウイルスで計画が狂った。

 疫病がもたらした不利な影響に対応するため、牡丹江市の人的資源・社会保障局は「農民の就職支援活動」を組織し、通信アプリ「微信(ウィーチャット、WeChat)」のグループチャットや電話相談、訪問の形式で、全市域の低所得労働者に1万6000の職場を推薦している。

 グループチャットの中のベビーシッター募集の告知が于海燕さんの目を引いた。「ベビーシッターの市場と需要が大きくなっていることは聞いていましたが、改めて給料を見ると、なかなかどうして高いのです」。于海燕さんはそう言って笑った。彼女は挑戦してみたいと思ったが、自分が経験も技術もないのが気がかりだった。迷っていたとき、ひとつのライブストリーミングが于海燕さんの悩みを解決した。

 就業困難者向け、農民や工場労働者向け、障害者向けなど、防疫期間中、牡丹江市は15のライブストリーミングチャンネルで就職支援活動を行った。このような企業説明会のなかで、于海燕さんが出合ったのは牡丹江市の職業訓練校だった。農村の戸籍であれば無料で授業をうけることができ、訓練費用は全て市が負担する。似たような訓練校は牡丹江市に93校あり、今年から1万2000人余りが訓練を受け、下りた補助金は1400万元(約2億1000万円)あまりである。

 今年5月、オンライン通話の面接で、訓練を受け終わったばかりの于海燕さんは、ハルピン(Harbin)のある家庭とマッチングした。しかし、新しい問題が持ち上がった。当時の牡丹江市は新型コロナウイルスの感染が再拡大しており、防疫コントロールのレベルも上がっており、仕事に行くのにどう「外出」するかが問題であった。

 于海燕さんのハルピンで働きたいという願いに答えて、職業訓練校の校長は牡丹江市の人的資源・社会保障局に直接電話をかけ、安全な移動ができるよう申請した。

 出発の3日前、牡丹江市の保健所職員が于海燕さんにPCR検査を受けさせた。検査結果を携えて、5月26日の早朝、于海燕さんを乗せた「点と点」を結ぶ農民工再就職専用バスが出発した。車両の全面的消毒、担当職員による検温、衛生システムによる全行程のリアルタイム観測、マスク・消毒液・使い捨ての防疫用品の積載など、万全の態勢だった。

 現在、于海燕さんは満点の成績で最初のベビーシッター任務を終えた。「学校が私の仕事を許可してくれ、また江蘇省(Jiangsu)の昆山市(Kunshan)での仕事を推薦してくれました。住み込みで6000元(約9万円)、あと2日したらまた出発します」。于海燕さんうれしそうに話した。(c)People's Daily/AFPBB News