【7月28日 AFP】中国スーパーリーグ(1部)、上海上港(Shanghai SIPG)に所属する元ブラジル代表MFオスカル(Oscar dos Santos Emboaba Junior)が、他の同胞に続く形での中国代表入りに興味を示す中、中国サッカー協会(CFA)の幹部は、同国代表のブラジル出身選手は「3、4人」に制限されるだろうとAFPに明かした。

 国際サッカー連盟(FIFA)による抜本的な規則の変更がない限り、2014年に開催されたW杯ブラジル大会(2014 World Cup)を含め、同国代表として公式の国際大会に出場した経験を持つ28歳のオスカルは、中国代表選手になることができない。

 しかし、「前にも言ったように、今はこの国にいるという理由でブラジル代表に入るのが難しいから、それ(中国代表入り)について考えることはできる」というオスカルの発言は、中国サッカー界における画期的な変化を示唆している。

 2017年1月、イングランド・プレミアリーグのチェルシー(Chelsea)から6000万ユーロ(約74億円)というアジア最高額の移籍金で上海に渡ったオスカルはこの1年、広州恒大(Guangzhou Evergrande FC)に所属するエウケソン(Elkeson)、アロイージオ(Aloisio)という2人のブラジル出身FWが、W杯カタール大会(2022 World Cup)の出場を目指す中国代表に招集されるのを目の当たりにした。

 報道によれば、少なくとも他に3人のブラジル出身アタッカーが中国国籍を取得したか、あるいはその一歩手前の段階にあるという。

 しかし、CFAの事務局長を務める劉奕(Yi Liu)氏は、W杯カタール大会に出場するための手っ取り早い解決策として、野心的な中国代表がブラジル出身選手のチームに姿を変えるという考えを一笑に付した。

 習近平(Xi Jinping)国家主席は、同国がサッカー大国になることを望んでいる。しかし、中国代表がW杯に出場したのは2002年大会の一度だけで、この時チームは勝ち点を挙げることはおろかゴールを決めることさえできなかった。

 劉氏はインタビューの中で「エウケソンや他の誰かにパスポートを与えた際、やや懸念があった」と話した。

「だが、中国代表をより良いチームにし、W杯出場、願わくば2022年のカタール大会にチームを導いてくれるのなら、代表に数人の(帰化)選手がいるとありがたいと、中国のファンが思っているのは良いことだ」

「正直に言って反対の声は一切聞かないが、われわれは成長する必要がある。それは長期的な戦略やアプローチではない」

 オスカルのコメントが報じられる前、劉氏は「チームの3分の2をブラジル出身選手にするつもりはない」「2、3人か、あるいは3、4人になるかもしれないが、それ以上はない」と述べていた。(c)AFP/Peter STEBBINGS