【7月28日 People’s Daily】今年の7月、上海の伝統文化的スポットである豫園(Yuyuan)は全く様変わりした。

 緑色の芝生と明清様式の建築群に囲まれて、写真を撮る観光客や絵を描く若い画家などで賑(にぎ)わう一角だった。

 7月3日から、豫園は夜市の活動をグレードアップさせ、中国的なムードに浸るテーマパーク的空間へと生まれ変わった。悠久の歴史と現代の豫園の特色が一体化し、市民と観光客のため、文化的雰囲気とリゾート気分が一体となった路線がデザインされた。

 豫園の有名な明清様式の広場や町並みなどは、どれも新しいテーマが与えられた。中心の広場は「食玩校場(食べて遊ぶ演武場の意)」と名付けられた美食街となり、橋のかかった広場、湖心亭の反り返った屋根の下では、情感ある音楽が奏でられる。水上の古い舞台では現代音楽が演奏される。路上の明かりや古式の美しい建築、コイや唐傘や中国ぢょうちんの光など、夜に写真映えするスポットとなった。

 豫園ショッピング街の責任者によれば、「食玩校場」の名前は明代のこの辺りに駐屯演武場があったことに由来する。清代になると、廟(びょう)の縁日で次第に繁華街が形成されていった。「食玩校場」と名付けたのは歴史への追憶であり、中国伝統文化への関心が高まっている現代の風潮にもふさわしいからである。

 文化のエッセンスを伝承すると同時に、豫園の「食玩校場」は多くのイノベーションをもたらした。明清様式の建築群の下、屋外テラスバーやムードに浸れる演出が数多く出現した。筆者が中心の広場に着いたときはビールバーが新しくできており、芝生と調和したインテリアがあつらえられ、若い人々が座っていた。

「豫園に来たのは久しぶりです」。上海市民の陳さんと二人の同僚はテラスバーでビールを飲んでいた。彼女は同僚と終業後に飲む約束をしていたが、記憶にある豫園からこうも完全に変わっているとは思わなかったという。「今は座って『体験する街』に変わりましたね」

 文化を肌で感じ、日々更新される消費の趨勢(すうせい)をフォローし、積極的に探索と転進を進め、豫園は絶え間なく発展とイノベーションを重ねている。中国の伝統的な要素や、世界観に没入できる体験が未来の豫園が目指す方向性である。毎週月曜から金曜の夜、休日の午後から夜までは、豫園のショッピング街は市民と旅行客のために趣向を凝らした演出を行い、ジャズ・ワルツ・エレクトロニカ・マジックなどの上演が次々と行われる。

 注目に値するのは、7月3日からグレードアップした豫園の夜市と外灘(バンド)が共同で行う光の祭典「ライト・ランニング」だ。ランナーの影と、彼らが身につけた色とりどりのライトの光が交錯する、躍動感ある景色が街を美しく彩る。

 400年の歴史ある豫園は、ますます若くなっている。(c)People's Daily/AFPBB News