【7月28日 AFP】男子テニス、元世界ランク1位のアンディ・マレー(Andy Murray、英国)は、来月開催される全米オープンテニス(US Open Tennis Championships 2020)に向けて「精神的」には準備を進めている一方で、新型コロナウイルスによって中断中のシーズン再開については危惧している。

 英ロンドンで行われているエキシビション大会「バトル・オブ・ブリッツ(Battle of the Brits)」のチーム戦に出場しているマレーは、来月31日に米ニューヨーク・フラッシング・メドウズ(Flushing Meadows)のハードコートで開幕する全米オープンに向けて集中力を維持している。

 2012年に全米オープンを制しているマレーは、英日刊紙「メトロ(Metro)」に対して、同大会の予定通りの開催を予想していると話し、「その方向で準備をしていかなければならない」「4~5週間前は、開催についてかなり懐疑的だと話していたけど、あるタイミングで精神的には準備を開始してそのつもりでいる必要がある」と語った。

「全米オープンに向けて計画を立て、調子を整えていくつもりだ」「大会が行われないのであれば、練習やリハビリなどすべてが少し違ってくる。だからそうだね、精神的には大会が行われるつもりで計画を立てている」

 四大大会(グランドスラム)で通算3度の優勝を誇るマレーは、シーズン再開についてはまだ「危惧」しているとしながらも、3月からトップレベルの男女ツアーが中断されたテニスが、長い活動停止期間を経て再開した他のスポーツに続くことができるように願っている。

 男子ツアーはシーズン再開の初戦として、米首都ワシントンでシティ・オープン(Citi Open 2020)が開催される予定だったが、新型コロナウイルスの状況が「引き続き見通せない」として、前週に大会の中止が決まった。

 全米オープンについては、今月上旬に世界1位のノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)が出場するかどうか決めかねていると話すなど、トップ選手からは疑問の声が上がっている。

 マレーは英紙ガーディアン(Guardian)の記事で、「大会が開催されることを願っているけれど、そうでなくても自分は構わない」「絶対に開催すべきだということではない。安全にできるようになったら、競技を再開できるようにする必要がある」と話したと伝えられた。

「一部のスポーツは再開されて、順調に行われているようだ。例えばサッカーとかね。僕らにとって問題なのは渡航だ」

 現在もけがから回復途中のマレーは、ウェスタン&サザンオープン(Western & Southern Open 2020)の出場を目指していく意向を示した。今季の同大会は全米オープンの前哨戦として、フラッシング・メドウズに会場を移して行われる。(c)AFP