ブラジル政府のコロナ対応は「人道に対する罪」 医療労組がICCに捜査要請
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【7月28日 AFP】ブラジルのジャイル・ボルソナロ(Jair Bolsonaro)政権の新型コロナウイルス流行への対応は人道に対する罪に当たるとして、ブラジルの医療従事者による労組連合は27日、国際刑事裁判所(ICC)に捜査を要請した。ブラジルは新型コロナウイルスの死者が米国に次いで世界で2番目に多い国となっている。
ブラジルの医療従事者100万人以上の代表と称する労働組合連合、ユニ・サウージ(UNISaude)は、オランダ・ハーグ(Hague)のICCに対し、証拠記録一式を提出した。ただし、ICCはこうした捜査要請に応じる義務はない。
ユニ・サウージは声明で、ボルソナロ政権は「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策において犯罪的な怠慢を犯し、医療従事者とブラジル社会で生きる人々の命を危険にさらした」と非難。「公衆衛生上の失策により大量の死者と病気のまん延をもたらした政府に対するこの種の訴訟として初のものだと考えている」と述べた。
サービス産業労組の国際連合ユニ・グローバル・ユニオン(UNI Global Union、UNI)の米州地域組織で、ユニ・サウージの上部組織に当たるユニ・アメリカス(UNI Americas)のマルシオ・モンザネ(Marcio Monzane)氏は、ボルソナロ政権は「ウイルス流行をめぐる無神経な対応の責任を負うべきだ」と主張。「ICCへの提訴は思い切った措置だが、ブラジル人はボルソナロ氏の意図的な決定がもたらした非常に悲惨で危険な状況に直面している」と訴えた。
2002年に創設されたICCはこれまで戦争犯罪、人道に対する罪、ジェノサイド(大量虐殺)などの裁判を扱っている。(c)AFP