【7月27日 AFP】韓国で「最大の物議を醸していた口ひげ」が刃(やいば)に掛かった──今年初め、日本による植民地時代の総督を思い起こさせるという異例の批判を受けていた、同国駐在のハリー・ハリス(Harry Harris)米大使の口ひげだ。

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 ハリス大使は、韓国で過去にも数度論争の的になったことがあり、高圧的との批判もあった他、そのひげさえも論議の対象になっていた。

 韓国では1910~45年の日本による植民地支配について、現在も強い反感が残っている。ハリス大使は日本人の母親を持つ日系米国人で、その口ひげが当時の総督のスタイルを想起させるとの声が上がっていた。

 これに対し大使は1月、口ひげは個人の好みの問題であり、批判的な人々は「歴史から都合のよい部分だけを拾い出している」と反論するとともに、「両国間に歴史的な反感があることは理解しているが、私は駐韓日米大使ではなく、駐韓米大使だ」と強調していた。

 だが大使は先週末、韓国の昔ながらの理髪店を訪れ、口ひげをそり落としてもらう様子を捉えた動画を、ソーシャルメディアに投稿。新型コロナウイルスの感染拡大防止策としてマスクを着用しながら、ソウルの夏を涼しく過ごすためだと説明した。

 ハリス大使はツイッター(Twitter)に「やって良かった。ひげを保つか、マスクをやめるかのどちらかだと思っていた。どっちも続けるには、ソウルの夏はあまりに蒸し暑い。COVID-19(新型コロナウイルス感染症)の指針は大事であり、私はマスクをする!」と投稿した。(c)AFP