【7月27日 People’s Daily】中国の新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)南部では7月、耐え難い暑さになる。だが、アクス(Aksu)地区温宿県(Wensu)のワラをテーマとした公園に入ると、わずかながら涼しさを感じる。

「ワラで造った塑像はとても奇抜!」。7月3日にこの公園を訪れた写真愛好家の朱さんはシャッターを切り続けた。「新型コロナウイルスが流行している間は、旅行は近場にしようと思っている。最初に来たのがここ」と朱さん。

 ワラ公園はトゥオワンクスブラク村にあり、エコ・レジャー(環境に配慮したレジャー)と科学教育、農業生産を一体化した公園。村の共産党総支部書記を務めるオスマン・トゥアルゴンさんは「この村は水稲の伝統があり、交通も便利。ここ数年、アクス地区はエコ観光を重点的に発展させている。われわれも、そうしようと思っている」と語った。

 昨年暮れ、村は第1歩を踏み出した。水田をスケート場にしたのだ。「いろいろなスケート施設をつくった。多くの観光客が来て、1か月で15万元(約230万円)の収入があった」とオスマンさん。

 ところが、村民が張り切っていたところへ、新型コロナが流行、計画が狂ってしまった。数か月間、観光客の来ない日々が続いたが、オスマンさんや村民はぶらぶらしていたわけではない。アグリツーリズムをどのように運営しようか議論していた。「1回限りの商売はしない。テーマパークをつくろう」ということになり、今年4月、30万元余りの資金を集め、公園の建設を始めた。

 公園は6月1日の児童節にオープン。ある村民は公園内でバーベキューを振る舞い、1か月余りで9000元(約14万円)以上を稼いだ。「観光客が増えれば、もっともうかる」とうれしそう。

 夏休みになると、子供の入園者が増えた。アニメ・キャラクターの塑像の下では常に子供たちの遊ぶ姿が見られた。

 4組のカップルが公園内で集団結婚式を挙げたこともある。カップルと村民が歌ったり、踊ったりして、楽しい思い出をつくった。

 オスマンさんは「公園で得られた収益は村の居住環境の改善に使われる。もっと多くの観光客を呼び、雇用を増やし、収入を増やし、村をもっとよくする」と語った。(c)People's Daily/AFPBB News