【7月27日 AFP】先週81歳で死去したタンザニアのベンジャミン・ムカパ(Benjamin Mkapa)元大統領の死因をめぐり、新型コロナウイルス感染によるものではないかとの臆測が飛び交っている。遺族は26日、テレビ中継された葬儀でマラリア闘病中に心臓発作で亡くなったと発表し、うわさを否定した。

 1995~2005年に2期にわたり大統領を務めたムカパ氏は、24日朝、最大都市ダルエスサラームの病院で死去した。

 だが、ジョン・マグフリ(John Magufuli)大統領の政府は、法律で速やかに発表するよう定められた死亡時刻や場所、死因を公表せず、このため死因をめぐって疑念が持ち上がった。

 国営テレビのチャンネルTBC 1で中継された葬儀のミサで、ムカパ氏の遺族は「マラリア感染が分かり、22日から入院治療を受けていた」と説明した。

 マグフリ政権は、新型コロナウイルス流行への対応に透明性を欠いているとして、野党から批判されている。

 マグフリ大統領は20日、タンザニア国内の新型コロナ流行はすでに終わったと主張し、観光客に来訪を呼び掛けた。だが、タンザニアは近隣諸国とは異なり、4月29日に新型ウイルスに関する公式統計の発表を中止。感染拡大を食い止めるための具体的な措置も、一切講じてはいない。(c)AFP