【7月27日 Xinhua News】中国銀行マニラ支店はこのほど、今年上半期(1~6月)のフィリピンでの人民元建て決済額は、前年同期比2・4倍の3025億元(1元=約15円)だったと発表した。

 国際銀行間通信協会(SWIFT)によると、6月30日時点で、フィリピンでの人民元建て決済額の伸びが東南アジアで最も大きかった。鄧軍(とう・ぐん)支店長は、フィリピンで人民元建て決済が急増した理由について、現地市場の人民元に対する認知度の向上を挙げ、人民元とフィリピン・ペソの直接両替は企業の取引コストを引き下げ、為替リスクを回避することにつながるとの認識を示した。

 また、中国とフィリピンの貿易が拡大していることにも触れ「フィリピン現地での人民元建て決済事業が伸び続けるという自信を持っている。今後も人民元建て決済を採用する中国からの投資は多数あると信じている」と述べた。

 フィリピンは「21世紀海上シルクロード」の要であり、両国は貿易やインフラ整備、製造業、観光業などで協力する機会が多い。両国の中央銀行は2018年11月、経済貿易交流や投資協力の円滑化を目的に、人民元決済銀行の指定に関する協力覚書を締結。19年9月に中国銀行マニラ支店がフィリピンの人民元決済銀行に指定された。(c)Xinhua News/AFPBB News