【7月25日 AFP】国際オリンピック委員会(IOC)は24日、「stronger together(団結して強くなろう)」のハッシュタグをつけてツイッター(Twitter)に投稿した一連の動画に、ナチス・ドイツ(Nazi)政権下で行われた1936年ベルリン五輪の映像が含まれていたことを謝罪した。

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 来年7月に延期された東京五輪の開幕まで1年を迎えたことに合わせ、IOCが当初23日に発信した30本の動画には、これまでの各五輪の聖火が映されており、ベルリン大会の分にはナチスのプロパガンダのため、映画監督のレニ・リーフェンシュタール(Leni Riefenstahl)氏が綿密に企画した聖火点灯の場面の映像が含まれていた。

 ベルリン五輪は、アドルフ・ヒトラー(Adolf Hitler)がナチスの優生思想を宣伝するために利用した。

 今回のIOCの投稿に関しては、アウシュビッツ・ビルケナウ博物館(Auschwitz-Birkenau museum)が、「ナチスの独裁国家」は「その人種差別主義や軍国主義」をカムフラージュし、「外国の観客にドイツの平和で寛容なイメージを印象づけるため」に五輪を利用したとツイートするなど、各方面から厳しい批判が寄せられた。

 こうした状況を受けて、IOCは同日午後に問題の動画を削除。陸上競技で4個の金メダルを獲得した米国の黒人選手、ジェシー・オーエンス(Jesse Owens)氏の写真も使用したことを強調しながら映像の本来の意図を説明した上で、「気分を害した方々」に対して謝罪の言葉をつづった。

「各映像に使用されていた画像は、団結と連帯のメッセージを伝えるために選ばれたものでした」「1936年のベルリン五輪の画像もその目的のために特別に選ばれたものであり、同大会を祝福するためのものではありません」 (c)AFP