【7月24日 AFP】世界保健機関(WHO)のテドロス・アダノム・ゲブレイェスス(Tedros Adhanom Ghebreyesus)事務局長が就任の際、中国と取引を行ったとするマイク・ポンペオ(Mike Pompeo)米国務長官の発言について、テドロス氏は23日、ポンペオ氏の主張は虚偽であるとしてこれを退けた。

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 英国のタイムズ(Times)とデーリー・テレグラフ(Daily Telegraph)によると、同国首都ロンドンを訪問したポンペオ氏は21日、議員らとの私的会合で、WHOは「政治的な」組織になったと指摘。WHOの決定は、テドロス氏と同氏の事務局長就任を手助けした中国との間で結ばれた取引の影響を受けていると述べ、「いざという時、最も重要な局面で」人々が死亡したのは「この取引が理由だ」と言明した。

 インターネット上の記者会見でポンペオ氏の発言について問われたテドロス氏は「虚偽で容認できず、何の根拠もない」と述べた。

 テドロス氏は「WHO全体の(中略)唯一の焦点は、人命を救うことにある。WHOはこれらの発言に気を取られることはないし、国際社会全体も同じように気を取られないことを願っている」と言明。現在の危機での最大の脅威の一つは「(新型コロナウイルス感染症の)パンデミック(世界的な大流行)の政治問題化」であると強調した。(c)AFP