【7月24日 Xinhua News】米シンクタンク、ピーターソン国際経済研究所(Peterson Institute for International Economics)のニコラス・ラディ上級研究員はこのほど、新華社の電話取材に応じ、世界的なリセッション(景気後退)や先進各国のマイナス成長を背景に、中国経済の回復は世界経済の回復に重要かつ積極的な意義をもっているとの見解を示した。発言の主な内容は次の通り。

 今年第2四半期(4~6月)の中国国内総生産(GDP)の前年同期比伸び率は3・2%で、予想と一致した。中国経済は今年、通年でプラス成長を実現し、来年の成長率はさらに高まる見通しだ。

 中国経済の回復はまず工業部門、特に製造業を原動力に進んだ。6月の社会消費財小売総額は前年同月比で1・8%の減少となったが、ほかの国・地域と比べれば順調で、目覚ましい改善も見られた。中国小売業は下半期(7~12月)も回復を続け、サービス業の成長を促進すると見込まれる。

 新型コロナウイルスの感染拡大は世界のサプライチェーンに影響を与えたが、サプライチェーンが大規模に中国から出て行くことはない。中国で事業を展開する米系企業の大多数は依然として中国市場を大切にしている。

 新型コロナが世界的に広がる中、中国が講じた力強い対策はサプライチェーンにおける中国の優位性を強めた。世界の企業は中国を離れても行き場がない。

 金融業への外資参入規制緩和などの措置は、中国の証券、資産管理、銀行、先物、格付けなどの分野への多国籍金融企業による進出を促し、中米金融協力は強まるとみられる。(c)Xinhua News/AFPBB News