【7月24日 AFP】世界トップレベルを誇る英国の演劇業界が、新型コロナウイルスによるロックダウン(都市封鎖)の影響で、大規模な解雇や劇場閉鎖の危機に直面している。

 英下院デジタル・文化・メディア・スポーツ委員会の23日の報告によると、英国では3月23日にロックダウンに突入して以降の12週間で、1万5000公演以上が中止に追い込まれた。

 興行収入の損失は3億300万ポンド(約410億円)を超えるが、関連収入を考慮すると損失額は6億300万ポンド(約817億円)に膨れ上がる恐れがあるという。「われわれは、英国の文化的景観にとってこの時代最大の脅威を目撃している」と同委員会は指摘している。

 文化産業への支援を訴える声の高まりを受け、英政府は今月、15億7000万ポンド(約2100億円)の緊急支援策を発表した。だが、書き入れ時の年末年始にソーシャル・ディスタンシング(対人距離の確保)を継続しなければならなかった場合、この支援額では足りなくなる懸念がある。

 英国内には約1100の劇場があり、うち半数は基金によって運営されている。ロンドン劇場協会(SOLT)のジュリアン・バード(Julian Bird)代表は、劇場や制作会社の70%が年末までに経営破綻する恐れがあると述べている。(c)AFP