【7月27日 AFP】米国と中国は、新型コロナウイルスから香港、貿易問題に至るまで数多くの問題で対立している。米政府がテキサス州ヒューストン(Houston)にある中国総領事館をスパイ活動の中心部と非難して閉鎖を命じたことを受け、中国政府は対抗措置として27日、四川(Sichuan)省成都(Chengdu)にある米総領事館の閉鎖を発表した。この間の動向をまとめた。

■新型コロナウイルス

 米中両政府は、新型コロナウイルス発生の責任をめぐって舌戦を繰り広げている。ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領が3月に「中国の」ウイルスと呼ぶと、中国外務省の趙立堅(Zhao Lijian)報道官は反論。感染が初めて報告された中国中部・湖北(Hubei)省武漢(Wuhan)にウイルスを持ち込んだのは米軍かもしれないとの考えを示した。

 5月になると、中国外務省が感染拡大に対する米国の不手際を指摘。それに対してトランプ氏は、「この世界的な大量殺りくをもたらしたのは中国の無能さであって、それ以外の何ものでもない」と反撃した。

■ワクチンのハッキング

 米連邦捜査局(FBI)は5月、医療・科学の研究者らに対し、中国が支援するハッカーが新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の治療とワクチン関連の研究内容と知的財産を盗もうとしていると警告。

 7月21日に米当局は、世界中の多数の企業をハッキングした容疑で中国国籍の2人を訴追した。

■香港

 米政府は、中国が6月下旬に香港に「国家安全維持法」を導入したことを受け、英国の植民地だった香港に認めてきた貿易上の優遇措置を廃止した。

 さらに、香港の高度な自治を侵害しているとして、複数の中国当局者に対するビザ(査証)発給を制限する措置を発表し、機密技術の輸出を停止した。