【7月23日 AFP】11月の米大統領選への出馬を表明した米ラップ歌手カニエ・ウェスト(Kanye West)氏(43)の妻、キム・カーダシアン(Kim Kardashian West)さん(39)は22日、ウェスト氏の双極性障害に言及し、同氏の最近の不安定な言動について、メディアや世間に「思いやりと共感」を求めた。

 世界で最も成功したアーティストの一人であるウェスト氏は、19日に初の選挙集会を開催。元奴隷で奴隷解放運動家のハリエット・タブマン(Harriet Tubman)氏について奇妙な主張を展開したり、現在7歳になる娘の中絶を望んでいたことを告白したりと要領を得ない演説を長々と続け、涙を流す場面もみられた。

 この演説の様子を捉えた動画がソーシャルメディアで拡散し、ウェスト氏の精神状態を懸念する声が寄せられていた。

 双極性障害は極端な感情の変化が起こる精神疾患。

 ここ最近ウェスト氏は、ツイッター(Twitter)への投稿が注目を集め続けている。妻と義母が自身を閉じ込めようとしていると訴えたり、離婚を望んでいることを示唆したりする内容のツイートはその後削除された。

 リアリティーテレビ番組で有名になったカーダシアンさんは、インスタグラム(Instagram)に長文を投稿。

「精神疾患や強迫的な行動について理解している人ならば、その家族の一員が未成年でない限り、残りの家族は無力であることを知っている」とし、「こうしたことを意識していない、またはこうした経験がまったくない人は、家族や友人がどんなに努力しても、(支援を得るには)その過程に本人が加わらなければならないということを理解できず、批判するのかもしれません」と続けた。

 また、ウェスト氏が有名人であることから、その言葉は批判の対象となり、「強い意見や感情」を引き起こす可能性があることは理解していると述べた。

 夫は「才能があるが複雑な人間」で、「カニエと親しい人たちは彼の心を知っていて、その発言が、自らが意図することと一致していないことがあることも理解している」と続けた。そして、メディアと世間に対し「私たちがこれを乗り越えられるよう、思いやりと共感をください」と呼び掛けた。 (c)AFP/Issam AHMED