【7月23日 AFP】カナダの連邦裁判所は22日、カナダ政府が米政府と2004年に締結した「安全な第三国」協定(STCA)について、米国を経由した難民申請者のカナダ入国を拒否するのは移民の権利を侵害しているとして、無効だとの判断を示した。

 STCAでは、最初に入国した国で難民申請をすると定めている。このため、米国を避けてカナダでの難民申請を希望する多数の移民が米カナダ国境から不法入国する事例が相次いでいた。

 アン・マリー・マクドナルド(Ann Marie McDonald)連邦判事は、「カナダ人権憲章(Canadian Charter of Rights and Freedoms)」を引用して「全ての人は生存、自由、安全の権利を有し、それらの権利は奪われてはならない」と指摘。STCAは憲章に違反すると判断した。

 STCAはかねて人権団体の非難の的となっており、難民申請者らはドナルド・トランプ(Donald Trump)政権下の米国はもはや「安全」な国とはみなせないと主張していた。(c)AFP