【7月23日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は22日、全米第3の都市シカゴなどで暴力的な犯罪が増加しているとして、連邦捜査官を「大幅に増派する」と発表した。11月の大統領選で再選を目指すトランプ氏は、支持率が低迷する中、「法と秩序」のスローガンを前面に押し出す姿勢をますます強めている。

 ホワイトハウス(White House)でウィリアム・バー(William Barr)司法長官や連邦捜査局(FBI)・国土安全保障省のトップら同席のもと記者会見したトランプ氏は、「暴力犯罪に悩まされている地域に派遣する連邦法執行機関(の要員)を大幅に増やす」と発表。ただちにシカゴに連邦捜査官を増派すると付け加えた。

 バー司法長官は、今月初めに発足した作戦「オペレーション・レジェンド(Operation Legend)」の一環として、シカゴに約200人、ニューメキシコ州アルバカーキ(Albuquerque)に30人の連邦要員を新たに派遣すると説明した。同作戦では既にミズーリ州カンザスシティー(Kansas City)に200人が派遣されている。

 米国では今夏、複数の都市で銃撃事件が多発しており、司法省によればシカゴでは先週末だけで60人以上が撃たれ、うち14人が死亡した。

 トランプ氏は20日、連邦政府の関連施設を保護するためとして、ニューヨークなど市長が民主党所属の都市に連邦治安要員を派遣すると警告していた。

 これに先立ち、オレゴン州ポートランド(Portland)では軍装の連邦要員がデモ隊の鎮圧に乗り出す異例の事態が起きている。首都ワシントン、アトランタ(Atlanta)、シアトル(Seattle)、シカゴ、ポートランド、カンザスシティーの各市長は20日、連名でバー氏やチャド・ウルフ(Chad Wolf)国土安全保障長官代行に当てて書簡を送り、市当局の要請なしに連邦部隊を派遣するのは違憲だと指摘していた。(c)AFP