【7月23日 AFP】中国の漁船数百隻が北朝鮮の海域で違法に操業し、数百万ドル(数億円)相当のイカを捕獲していたことが22日、明らかになった。国際チームによる調査の結果が米科学誌に掲載された。

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 米非営利団体「グローバル・フィッシング・ウオッチ(Global Fishing Watch)」の調査に関わった各国の研究者らは、より大型で装備の整った中国漁船との競争により、北朝鮮の漁船はロシアの海域での違法操業を強いられることになったと説明している。

 4種の衛星技術が用いられたこの研究では、北朝鮮・韓国、日本・ロシアの周辺国に囲まれ、監視が行き届いていない海域での中国による大規模な違法漁業が確認された。

 研究者らは、公共の監視システムでは探知できない中国の漁船が、2017年には少なくとも900隻、その翌年には同700隻、北朝鮮の排他的経済水域(EEZ)で違法に操業を行っていたとしている。

 米国科学振興協会(AAAS)が発行する「サイエンス・アドバンシズ(Science Advances)」に発表された論文によると、これは「単独船団による違法な遠洋漁業行為としては、これまで確認された中で最大」の事例となるという。

 なお、中国・北朝鮮間に何らかの契約が存在するかどうかは不明とされた。(c)AFP