【7月22日 AFP】(更新)ロシアの裁判所は22日、旧ソ連の独裁者ヨシフ・スターリン(Joseph Stalin)時代の抑圧問題について研究していた著名な歴史学者のユーリ・ドミトリエフ(Yury Dmitriyev)被告に対し、性的暴行の罪で矯正労働収容所での懲役3年6月を言い渡した。同被告の弁護人が明らかにした。被告の罪状については、疑問視する声が上がっていた。

 ドミトリエフ被告は、有名人権団体「メモリアル(Memorial)」のカレリア(Karelia)共和国支部長。何十年にもわたって、スターリン政権下で殺害された人々の集団墓地の特定・発掘活動に取り組んできた。

 弁護人は同国北西部の裁判所前で報道陣に対し、ドミトリエフ被告は養子に迎えた女児に性的暴行を加えたとして有罪となり、「厳しい管理体制が敷かれた矯正労働収容所での懲役3年6月」の刑が言い渡されたと述べた。被告は養女への性的虐待を否定している。

 当初は懲役15年に処される可能性もあったが、弁護人によると、被告は最初に問われたポルノ関連罪では無罪となった。書面による判決はまだ受け取っていないものの、被告は未決勾留期間を差し引いて9月に釈放される可能性があるという。

 メモリアルは判決に先立ち、「ドミトリエフ被告が無実であることに疑いはない」と明言。非公開裁判にかけられた同被告の起訴は、当局が強化している反体制派に対する弾圧の一環だと指摘している。(c)AFP