■自己検閲

 報道機関は、地元メディアは特に脆弱(ぜいじゃく)だと警告する。

 香港の林鄭月娥(キャリー・ラム、Carrie Lam)行政長官は先ごろ、報道の自由を「100%保証」できるかどうかを尋ねられ、もし記者らが「国安法のもと、どんな犯罪行為にも加担しないと保証するのであれば」報道の自由を守ることができる、と答えた。

「すでに懸念されている自己検閲の問題は、悪化するだろう」と、香港記者協会(Hong Kong Journalists Association)の主席を務める楊健興(Chris Yeung)氏は述べる。「中国本土の報道統制の制度と機構が、徐々に香港に導入されることになりそうだ」

 しかし、英ロンドン大学シティ校で教えるチャン氏は、報道機関は簡単に飼いならされはしないだろうと指摘。「香港の記者らは可能な限り、できるだけのことをやる」と述べた。

「蘋果日報」の創業者で、海外勢力と協力して中国本土を破壊する「黒い手」の中心人物と中国国営メディアがレッテルを貼る黎智英(ジミー・ライ、Jimmy Lai)氏は、17日に開催されたオンライン質疑で同紙の報道記者の今後について尋ねられた。

「記者たちを守るのは非常に難しい。私にできることは、自身の良心に基づいて行動してほしいと言うことくらいだ」と黎氏は述べた。「殉教者になってくれとは言えない」 (c)AFP/Rose TROUP BUCHANAN