【7月22日 AFP】シリア政権支配地域で19日に実施された議会選挙(定数250)の開票結果が21日、発表され、バッシャール・アサド(Bashar al-Assad)大統領率いる与党バース(Baath)党とその支持派が過半数の177議席を獲得した。

 アサド大統領支持派の勝利が確実視されていた今回の選挙について、在外の反体制派は「茶番」と非難している。

 選挙管理委員長によると、投票率は33%で、2016年に実施された前回議会選の57%を下回った。

 国営メディアによると、19日は政権支配地域全域に7000か所以上の投票所が開設され、かつて反体制派が拠点としていた地域にも初めて投票所が設置されたという。

 しかし、内戦から逃れた数百万人のシリア国民には投票資格がなかった。

 9年間の内戦により38万人が死亡し、内戦前の人口の半数が自宅からの避難を余儀なくされている。在外の活動家や反体制派の政治家らは、今回の選挙とその結果に取り合っていない。

 反体制派の統一組織「シリア国民連合(National Coalition)」はツイッター(Twitter)に、「アサドとそのスポンサーであるロシアとイランのテロ行為の結果として避難したり強制退去させられたりした数百万人のシリア人が、投票しないことによって反対の意思表示をした」と投稿した。

 米国務省のモーガン・オータガス(Morgan Ortagus)報道官は20日、「アサド大統領のバース党が政権を握って以降、シリアで自由かつ公平な選挙が行われたことはなく、今年も例外ではなかった」と述べた。(c)AFP