【7月21日 AFP】ミャンマーからの非常に危険な船旅を生き延びてマレーシアにたどり着いたイスラム系少数民族ロヒンギャ(Rohingya)の難民集団に対し、マレーシアに不法入国したとしてむち打ち刑が執行される予定であることが分かった。人権団体が21日、明らかにした。むち打ちは「野蛮な」刑罰だと非難し、こうした処罰を廃止するよう求めている。

 近年数十万人のロヒンギャの人々が、仏教徒が多数を占めるミャンマーでの迫害と暴力から逃れるため、隣国バングラデシュや、船でマレーシアに向かっている。

 だが新型コロナウイルスの大流行発生以降、これまでロヒンギャ難民船の上陸を受け入れてきたマレーシアなどの東南アジア諸国は、難民の中に感染者がいる可能性を危惧して着岸を拒否するようになった。

 国際人権団体アムネスティ・インターナショナル(Amnesty International)によると、4月にロヒンギャ難民202人を乗せた船がマレーシア北西部に上陸したが、この一団からは少なくとも男性20人に禁錮刑とむち打ち刑が言い渡されたという。

 当局にコメントを求めたが、これまでに回答はなかった。

 新型コロナウイルスの流行が始まって以来、マレーシアは海上パトロールを強化しており、同国への入国を試みる船を幾度となく押し返している。

 しかし先月にも、ロヒンギャ難民260人超を乗せた船が同国に着岸している。(c)AFP