【7月21日 AFP】米国のマイク・ポンペオ(Mike Pompeo)国務長官は21日、英国を訪問し、ボリス・ジョンソン(Boris Johnson)首相と会談した。米側には、中国との外交対立をめぐり、英国を自国側に引き寄せておきたい狙いがある。

 ポンペオ長官が前回英首都ロンドンを訪問したのは、今年1月。ジョンソン首相が米政府の警告を無視する形で、国内の第5世代(5G)移動通信網に中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ、 Huawei)の製品使用を限定的に認める方針を明らかにした直後だった。

 その際ポンペオ氏は、次世代データシステムの中核に中国を据えることにより、米欧の情報共有を危険にさらすことになると英政府批判を展開し、米英関係は冷え込みを見せていた。

 しかしこれに続く数か月間、英側は、中国は世界の脅威であるとするドナルド・トランプ(Donald Trump)米政権内の見解を共有する姿勢を強めた。

 今月にはジョンソン首相が国内の通信業者に対し、ファーウェイの5G製品購入を来年以降中止し、既存の機器も2027年までに排除するよう指示。最も劇的な政策転換となった。

 ポンペオ氏はジョンソン氏に対し、「この点については完全に正しい立場を取ってくれた」とたたえた。一方中国外務省は、英国が「米国の手先」になりつつあると非難している。(c)AFP