【7月21日 AFP】アフリカ南東部マラウイの裁判所は20日、象牙やサイの角、センザンコウのうろこを違法所持したとして中国人7人とマラウイ人2人に禁錮刑を言い渡した。

 9人は全員、アフリカ南部で最も活発な野生動物密輸組織の一つとされる「リンチャン(Lin-Zhang)」の構成員だった。

 警察と野生動物保護当局が連携して強制捜索を複数回実施し、昨年5月に中国人9人とマラウイ人4人を逮捕。8月には3か月におよぶ追跡の末、「リンチャン」の中心人物を逮捕した。

 このうち9人に対してマラウイ首都リロングウェの治安判事裁判所は20日、禁錮刑を言い渡した。

 中心人物とその妻にはサイの角と銃器の違法所持の罪で禁錮11年が言い渡された。サイの角を貯蔵していた中国人2人には禁錮7年、残りの中国人3人にはセンザンコウのうろこと象牙の加工品を所持していたとして禁錮6年が下された。

 マラウイ人2人は、象牙とカバの歯を違法所持した罪で禁錮18月の刑に処された。

 アフリカにおけるゾウの個体数は、19世紀初頭は700万頭だったが、密猟によって2015年には約40万頭にまで減少した。

 世界自然保護基金(WWF)によると、ゾウの死因の60%が密猟の可能性があるという。

 アジアでは象牙やサイの角などに薬効成分があるとされ、非常に需要が高い。

「リンチャン」は、モザンビークとタンザニア、ザンビアに囲まれたマラウイで10年以上にわたり活動していたとみられる。(c)AFP